芽キャ^の

芽キャベツの二日酔いについて考えるすべを喪ってしまった私たち / 詩とTRPG / https://twitter.com/Wanazawawww

五十音順に短歌を詠みます(4/28 か行まで)

有りものの幸せだけを持ち寄って、幸せだね、と言い合う種族

今しがたやって来たとこのこのオバケ、前頭葉に損傷がある

恨まれし黒色毛並みのキタキツネ すとんと座って手を振っていた

絵に見えし話に聞きし鬼を見た夢を見た歌を聴いた気がしていた

お仕舞いにしようと言う者はありまして、でも殺して、進んで、殺して、進んで、

飼い犬の目許に心を奪われる ほんとに憐れな女ねあなた(わたし)は

きつね眼のかなしいむすめを掻き抱く眠れぬ夜のきつね眼おとこ

くるしみもくいるこころもくだらないくさるおまえとくびつらせおばけ

剣道の声聞く放課後過ごしつつきみのケラケラ思い出しつつ

ころし屋の心がわからない人とわかる人とで違う絶望 

 

(noteにて)

(なお続編は2021/05/05までなし)

夢々

最近よく夢を見ます。大きな建物の中にいる夢。知らないデパート、知らないホテル、知らない病院、知らない学校。行ったことのない、どこか知らないその場所で、当て所無く歩く。空間をめちゃくちゃに繋いであって、私の夢に出てくる建物はよく床が無くなります。大抵誰かを探しているのですがあまり見つかりません。探すのも探されるのも幼いころからとても苦手でした。
夢の話もよく書きます。でもそうなるとどちらが、私の夢だったんでしょうか? 生贄を乗せた電車に乗る誰か、恋に溺れ肉体を交換する男、待ちわびたあの歌手の新曲、そして急な接吻、今はもう無いあの漫画の続き、自室に次々湧くいかれた蟲々、千切れてもきっとくっ付けたら元通りになるまだら蛇、祖父の椅子の背もたれに形相、浅い水槽から次々飛び出す魚どもとそれを殺す父、目の前を歩く大人たちは本当はみんな化け物、中年女の耳から顔を出す怪しい小動物の古い映像、猫との交尾、クッションの国に住む子供たちの顔と住処を乗っ取る何かの名前は「うつ」です。一つも覚えておかないでください。

(noteにて2014/04/24 12:45公開)